Abstract
Ninf-Gはグリッド上でRPC(Remote Procedure Call) を実現するシステムである.従来のNinf-G
は,さまざまなジョブ起動機構に対応することができるが,通信機構にGlobus Toolkit のGlobus-IO
を用いるため,常にGlobus Toolkit とリンクする必要がある.このため,1)Globus Toolkit のイ
ンストールがユーザに対する導入障壁となる,2)Globus Toolkit に依存するため可搬性が限定され
る,3)Globus-IO 以外の通信レイヤを利用することができない,といった問題がある.現在実装中の
Ninf-G Ver.5 では,これらの問題点を解決するために,リモート通信部を通信プロキシと呼ぶ独立
した別プロセスとすることで,コア部分を外部ライブラリ非依存とした.これによって,ユーザに対
する導入障壁が解消し,可搬性が向上すると同時に,他の通信レイヤの利用が可能となる.さらに,
通信プロキシを利用することで,クライアントとリモート実行ノードが直接通信できない環境におい
ても利用することが可能になる.本稿ではこのNinf-G Ver.5 の設計について詳述する.さらに,通
信プロキシを導入することで予想されるオーバヘッドを見積もるための予備的評価を行う.評価の結
果,別プロセス化によるオーバヘッドは無視できないものの,得られるメリットを勘案すれば受け入
れることができる範囲であることがわかった.