Abstract
核磁気共鳴法(NMR) は,ポストシーケンスにおける最重要課題の一つである蛋白質立体構造解析の有望な手段である.しかし,専門家でさえ,一つの蛋白質のデータ解析に数ヶ月程度の試行錯誤が必要なことが深刻な問題となっている.これに対し,Ono らは遺伝アルゴリズム(GA) に基づくデータ解析の自動化手法を提案し,13 残基程度の小規模な問題において比較的良好な性能を得られたと報告している.しかし,実際に扱わなければならない問題規模は数十残基から二百残基程度である.たとえば,78 残基の場合,Pentium III 1.4GHz のシングルCPU のPC では,計算が終了するまでに約200 日程度の時間がかかってしまうことが見積もられており,高速化が望まれている.本論文では,ミドルウェアNinf-1 およびNinf-G を用いてOno らの提案したGA をグリッド上で並列化したシステム(NMR 蛋白質立体構造決定のためのグリッド向けGA システム)を提案する.5 サイト/1,196CPU から構成されるグリッドテストベッド上で,提案システムの性能評価を行う.