Abstract


広域ネットワークの整備につれ,分散する多数の超高性能計算機を利用して大 規模計算を実現する試みが我々のNinfを含めてなされつつある.しかし,この ような広域計算システムの,特にWAN上で複数のクライアントが複数のサイト に分散している状況下での性能特性に関する議論は十分になされていない.そ れゆえクライアントに一定性能を保証するような広域スケジューリングの有効 な手法は確立できていない.本稿では,広域計算システムのジョブスケジュー リングのための予備的考察として,WANにおいて単一サイト/複数サイトに複数 のクライアントを設置して評価実験を行い,通信主体の計算においては通信が 性能を支配すること,設置条件によって通信が性能に与える影響に一定の傾向 があることを確認した.また,この結果を元にして待ち行列理論に基づいたシ ミュレーションモデルを提案した.さらに現在実装を進めているスケジューリ ングサーバMetaserverによる評価結果を示した.