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はじめに

コンピュータネットワークの発展にともない、ネットワークを利用した 情報提供サービスが盛んに行なわれている。 これらのサービスの特徴は、情報の実際に存在する位置の透明性であり、 情報資源の仮想的共有化であると考えることができる。 計算科学技術、数値解析技術領域における情報資源の共有化の手法として、 このような情報資源の共有のための枠組として、 われわれはNinf ( Network based Infomation library for High Performance Computing) を提唱してきた[1]。

Ninf は基本的にはサーバ・クライアントモデルのシステムである。 ネットワーク上に数値情報や計算自身を提供するサーバを設け、 ユーザにはサーバに接続するクライアント機能を持つライブラリを提供する。 ユーザはこのライブラリを自分のプログラムにリンクすることで、 ほとんど、ネットワークの存在を意識することなく、数値情報や 計算の提供を受けることができる。

単純なサーバクライアントモデルでは、クライアントは 何らかの方法でサーバを知る必要がある。 しかし、Ninf のサーバの数が増加すると、 サーバのアドレスやそれぞれが提供する計算を ユーザが管理することは容易ではない。

このため、Ninf システムの一部を担うものとして、 メタサーバと呼ぶものを導入した。 メタサーバは、Ninf のサーバとクライアントの中間に存在し、 ユーザに対して実際に計算が行なわれる場所を隠蔽する役割をになう。 さらに、分散環境での並列計算を実現する機能を持つ。

本稿では、このメタサーバのアーキテクチャについて述べ、 予備的な性能評価を行なう。

2章でNinf システムを概説し、 3章でNinf Meta Server の設計方針を述べ、 4章で実装について述べる。 5章で性能の予備評価を行ない、 6章で考察を行なう。



Hidemoto Nakada
Tue Feb 20 18:17:47 JST 1996