Abstract
大規模ストレージシステムを構築する際に、クラスタ計算機同士でグリッドを構成し、より大規模なストレージを構築する試みがなされている。グリッド上のストレージを構成するクラスタ間でデータ転送を行う場合、RTT ×bandwidth の大きい環境では通信路の性能を生かし切れないことが問題になる。また、各クラスタノード間での通信のように同時に多対多で通信を行う場合は、複数の通信で通信路を共有しなければならないため、通信路のバンド幅以上にデータが流れ込んでしまうことが問題になる。本研究では、これらの問題を解決するために、同時に通信を行うノード数、ストライプ数等のパラメータについて、自動的に通信路に合ったパラメータを決定するシステムを提案する。本稿では、いくつかの環境を想定し、その上でクラスタ間データ転送のシミュレーションを行ない、それぞれの環境に応じた最適なパラメータについて考察する。