Abstract


Grid 上のミドルウェアであるGridRPC は科学技術計算に多く用いられる。しかし、ぞれのGirdRPC システムが独自のプロトコルを利用しているため,インタオペラビリティが重要な課題となっている.一方,Web サービスの分野では,SOAP やWSDL といったXML 基盤の標準仕様が用いられており,広く使用されることが期待されている.そのため,GridRPC においてもこれらの仕様を用いてインタオペラビリティを確保することが可能であると考えられるが,1) ビジネスアプリケーションを念頭としたこれらの仕様がGridRPC に適した記述力を有しているか,2) コストが高いXMLを用いて十分な性能を得ることができるか,などが明らかではない.本研究では,SOAP とWSDLを基盤とするGridRPC を実装し,評価した.その結果,SOAP 基盤のGridRPC のナイーブな実装においては大きなオーバヘッドが大きいが,いくつかの性能向上を行なうことにより,本来のバイナリ転送に近い性能が得られた.一方,配列パラメタの扱いなどのGridRPC 特有なさまざまな機能を実現することは,WSDL の制限により困難であり,WSDL の仕様の拡張が必要であることが分かった.