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本稿では、Ninf RPC システムの設計とTCP/IP上の実装についてのべた。
Ninf RPC は、動的にインターフェイス情報を転送し、
転送量を動的に算出する枠組を与える。
これにより従来のRPCを用いては不可能であった計算を
分散化することが可能になった。
今後の課題としては、以下のことが考えられる。
- クライアント・サーバ間通信のUDP化
UDP で実装することにより、再送のメカニズムを最適化することが
可能となり、通信性能の向上が見込める。
現在の実装ではクライアント・サーバ間の通信はTCP/IP上ではあるが、
仮想的にはパケットを用いており、容易にUDP化することが
可能だと思われる。
- ハート・ビートの実現
分散計算の一つの問題として、接続の切断の検出がある。
UNIX RPC ではタイムアウトをもちいて、
再実行を行なっている。
Ninf の主な対象である数値演算においては、計算に非常に時間がかかり、
しかも計算時間が予見できないことが多いため、
単純なタイムアウトを用いることはできない。
このための手法として、ハート・ビートという手法がある。
これは、計算ルーチンが一定時間ごとに特殊なパケットをクライアントに
送る方法である。クライアントは一定時間以上パケットが来なければ、
接続が切断されたと判断することができる
現在はこの手法はインプリメントされていない。
Hidemoto Nakada
Wed Dec 20 05:42:46 JST 1995